東北大学病院　薬剤部

東北大学病院で承認されているがん化学療法プロトコールを公開しています。
内服抗がん薬プロトコール
注射用抗がん薬プロトーコール

東北大学病院では、より安全で質の高いがん化学療法を提供するため、「治療手帳」や「トレーシングレポート」を活用し、他の医療機関や保険薬局との連携の強化を進めています。保険薬局の皆さまには、かかりつけとしての継続的なフォローアップと、必要に応じて情報提供をお願いいたします。

こちらよりダウンロードして下さい。

がん化学療法による副作用症状や痛みの程度を記録する治療手帳を患者さんに交付しています（図１）。
治療手帳は保険医療機関・保険薬局にてご提示いただくよう患者さんにご説明しています。提示を受けた際には、内容をご確認いただき、疑義照会や服薬指導にお役立てください。特に保険薬局の皆さまは、副作用や疼痛の発現状況の確認、アドヒアランスのチェックなど、継続的なフォローアップのためにご活用ください。

治療手帳には「体調管理表」のページを設け、症状を記録できるようになっています（図２）。体調管理表は患者さんやご家族だけでなく、患者さんをサポートするあらゆるスタッフに記入していただくことが可能です。アドバイス等の記入にもご活用ください。
治療手帳を介して、患者さんや医療スタッフが副作用症状の経過を共有することで、支持療法を含めた薬物治療の管理や、生活上の注意点の指導等、患者サポートに役立てています。また、当院への簡易的なフィードバック欄を設けておりますので、トレーシングレポートと合わせてご活用ください。

【図１】治療手帳外観(画像左)   　　　　
【図２】体調管理表(画像右)

他の保険医療機関・保険薬局との情報連携を目的として、化学療法プロトコールの内容を記載したシールを交付しております（図３）。2020年9月からは、外来化学療法当日の治療内容（使用した薬剤の名称・投与量）や検査値、副作用発現状況等について記載したシールを併せて交付し（図４）、薬剤師が治療手帳に貼付しています。当院ホームページ記載の抗がん薬プロトコール集と合わせてご活用ください。

【図3】プロトコルの内容(画像左)           
【図4】当日の治療内容・副作用発現状況等を記載したシール(画像右)

当院では薬剤師外来を開設し、内服抗がん薬の一部が処方された患者さんを対象として、処方開始時は用法用量や副作用、支持療法など詳細な服薬指導（図5）を、服薬中は診察前に面談し有害事象の確認と医師との情報共有を、必要に応じて処方提案等を行っています。
外来における薬物療法の安全性や有効性を高めるためには、かかりつけ薬局・薬剤師との連携が重要です。今後は連携のさらなる強化を目指し、保険薬局によるテレフォンフォローアップに関して、薬剤師外来にて患者さんに説明いたします（図6）。同意が得られた場合は保険薬局にお知らせしますので、フォローアップを実施し所定の様式にて情報提供をお願いします。提供していただいた内容は薬剤師外来で詳細を確認した後、主治医と情報共有いたします。
詳しくは内服抗がん薬プロトコール情報をご参照ください。

【図5】指導箋（ベージニオ®）※こちらに記載されている対処方法は医師の管理下により適正に実施されています。主治医の指示に従って服用してください。

【図6】保険薬局によるフォローアップと情報の連携に関する同意説明資料（ベージニオ®、イブランス®）。

フォローアップによって当院スタッフへの伝達事項が生じた場合は、トレーシングレポートをご活用ください。
特に下記に該当する患者さんについて、情報提供をお願いします。

・強い副作用症状があり、支持療法が行われていない場合
・アドヒアランス（治療意欲や服薬状況）に問題がある場合
・疼痛コントロールが不良である場合
・処方や検査について、追加・変更の提案がある場合
※緊急性の高い内容は、治療手帳に記載した「緊急連絡先」への電話連絡をお願いします。

頂いた情報は診療支援システム（電子カルテ）に記録し、医療スタッフ間で共有して活用させていただきます。

研修会・説明動画のページをご参照ください。

東北大学病院薬剤部　化学療法支援室